読み込む原風景

有村はじめ

表紙イラストのつくり方


乙一さんの短編集「箱庭図書館」より、3点の表紙になることをイメージしたイラストを描いてみました。それぞれの解説をここに記録しておこうと思います。ネタバレにならないように気を付けます。

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「青春絶縁体」
主人公の男の子は文芸部の先輩(小山雨季子さん)をあることがきっかけで傷つけてしまいます。自作の自伝小説の主人公(自分)の行動になぞらえて、先輩に謝る、みたいなあらすじです。すごく面白いけど読まないとわからない魅力があります。作中で、主人公の男の子が自分は青春に対する絶縁体だ、というような独白があり、紙やガラスやゴムが電流に対して絶縁作用をもつことから、主人公の男の子の前にガラスがある構図にしてみました。また、青春のおはなしなので、色はピンクとブルーを選びました。


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ネタバレになるのであらすじはほとんど書けないのですが、コンビニでアルバイトをする男女と、強盗のおはなしです。文章のトリックで、はじめて読んだ読者は必ず驚かされるであろうという内容です。お金に釣られた三人が、作中でもちらっと登場する誘蛾灯(夏のコンビニなどに設置してある害虫が寄るとバチバチなるあれです)に集まる蛾と重なるのでこういう構図で描いてみました。わかりづらいと思うのですが、これは誘蛾灯を描いているのです。線のないこういう描き方ははじめてしました。

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これは架空の書籍の表紙です。乙一さんとは関係ありません。BUMP OF CHICKENのアルバム「THE LIVING DEAD」と「ユグドラシル」のジャケットをなんとなく思い出しながら描いたらくがきがもとになっています。


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「小説家のつくり方」
小説家の男性と、その小学生時代、そして姉の潮音さんがでてくるおはなしです。男性が小説家になったいきさつが、2転3転する見せ方で描かれていて面白いです。絵にするのがとても難しかったので、小説家の“つくり”方=創作=+(プラス)という連想ゲームで、抽象的な絵にしてみました。今の僕の実力ではこうしか描けませんでした。とても難しかったし、悔いが残る出来になってしまいました。それを言えばどの絵だってそうだと言えるけど。

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という感じで、小説の表紙をイメージした絵は、どれもけっこう頭を使わないと描けない絵で、今回はなんとなくあらすじなどを含めどうやって描いたかを超簡単に記録してみました。いったい何人の方がこのブログを読んでいるのかよく知らないけど、こうやって何かを記録するのは好きです。日記ももう4年くらいほぼ毎日書いてます。

書籍の表紙になることをイメージした絵を描くのはまだ不慣れというか至らない点が多くて納得いかないので、もう少し頑張ってみます。