読み込む原風景

有村はじめ

てきとう


今日がバレンタインだったということを祖母にチョコレートをもらって思い出した。最近は女性の友達どころか男友達すら少なくなっている。場当たり的な行動をしてしまうし、そもそも人づきあいが好きではないので自然なのかもしれません。

猫のおなかをこちょがしていたら手をひっかかれた。たいした傷ではないけど。

10日ぶりくらいにお金をつかった。あまり物欲がないので物を買わない。煙草がやめられないのでたまに買うくらい。贅沢しないで慎ましくしていたい。

いつか死ぬんだということが未だにうまく理解できない。今日これから死ぬ可能性だってある。よく猫が死ぬことを想像する。とてもつらいなあと思う。猫と自分、どちらが長生きするのだろうか。できれば猫が老衰するまで生きていたいと思う。今日はおやつとおもちゃを買ってあげた。おもちゃのねずみは1分で尻尾をちぎられた。自作のおもちゃ(靴下をまるめて縫ったもの)ではあまり遊んでくれないけど、市販のおもちゃへの食いつきはすごい。なにが違うんだろう。音かな。

反出生主義者の文章を読んだ。人間は繁殖するべきではないという考え方。生まれなかったら幸せもないけど辛い思いもしなくても済むということらしい。最近インドで自分を生んだ親を「生まれることに同意していない」という理由で訴えた男の人がいたらしい。僕は結婚も子供も想定していないけど別に生まれなければよかったとも思わない。思春期ならともかく。自分に最適な生き方を模索する努力は必要だけど、反出征主義者を否定する気にもならない。そういう人もいるんだなあと、


kashmir


何もやりたくない。何かをやっている人が嫌い。嫌なことや嫌いな人が「好き」の総量をはるかに超えている。おそらく殆どの人は好きと嫌いの総量は大体同じくらいにできているんだと思う。身体を右に傾けたら倒れてしまうので重心を左足に込めるように。

昔なら絵に逃避することもできた。こんな自分を絵の中に投影して少しだけ自己治癒していた。意識的ではなかったにせよ。今は絵に希望を見いだせない。恐ろしく空虚で無価値なものに変わってしまった。

「美しいものがつくりたい」とか「イラストレーターになりたい」とか、そういう感情は今はもうない。一時的に盛り下がっているだけかもしれないし、もしくは一時的な発熱がひいて平熱に戻ってきたのかもしれない。今のところ判断つかない。

ロバートプラントはサハラ砂漠をドライブしながらインスピレーションでカシミールを書いた。しかしカシミールは砂漠ではなく山岳。だからなにというわけではないけど。

劣等感


僕は心が不安定なのかもしれない。すぐに悲しくなるし、とても悔しい気持ちにもなる。なんてことないことをきっかけに、心がぐらつく。けどその悔しさがモチベーションになっていることも否めない。表裏一体というか、短所は長所にもなりうるのだと思う。こんなにもいい絵が描きたいと思う。描かなければいけないと思う。そしてイラストレーターとして評価されて、お金もたくさん稼いで、周りの人間を心底見下したいと思う。なんだか醜い感情だなと思うし、とても使える感情だなとも思う。村上春樹は「過去の自分と戦うこと。そして過去の自分に勝つことだけを考えるようにしています。過去の自分に勝てるのなら、他の誰にだって勝てます。というか他人なんてどうでもよくなります」みたいなことを、著書「村上さんのところ」のなかで書いていました。

身の回りの、自分をいら立たせてくれる皆さん。とても感謝しています。俺はあなたたちのおかげで頑張れています。劣等感を与えてくれてありがとう。

表紙イラストのつくり方


乙一さんの短編集「箱庭図書館」より、3点の表紙になることをイメージしたイラストを描いてみました。それぞれの解説をここに記録しておこうと思います。ネタバレにならないように気を付けます。

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「青春絶縁体」
主人公の男の子は文芸部の先輩(小山雨季子さん)をあることがきっかけで傷つけてしまいます。自作の自伝小説の主人公(自分)の行動になぞらえて、先輩に謝る、みたいなあらすじです。すごく面白いけど読まないとわからない魅力があります。作中で、主人公の男の子が自分は青春に対する絶縁体だ、というような独白があり、紙やガラスやゴムが電流に対して絶縁作用をもつことから、主人公の男の子の前にガラスがある構図にしてみました。また、青春のおはなしなので、色はピンクとブルーを選びました。


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ネタバレになるのであらすじはほとんど書けないのですが、コンビニでアルバイトをする男女と、強盗のおはなしです。文章のトリックで、はじめて読んだ読者は必ず驚かされるであろうという内容です。お金に釣られた三人が、作中でもちらっと登場する誘蛾灯(夏のコンビニなどに設置してある害虫が寄るとバチバチなるあれです)に集まる蛾と重なるのでこういう構図で描いてみました。わかりづらいと思うのですが、これは誘蛾灯を描いているのです。線のないこういう描き方ははじめてしました。

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これは架空の書籍の表紙です。乙一さんとは関係ありません。BUMP OF CHICKENのアルバム「THE LIVING DEAD」と「ユグドラシル」のジャケットをなんとなく思い出しながら描いたらくがきがもとになっています。


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「小説家のつくり方」
小説家の男性と、その小学生時代、そして姉の潮音さんがでてくるおはなしです。男性が小説家になったいきさつが、2転3転する見せ方で描かれていて面白いです。絵にするのがとても難しかったので、小説家の“つくり”方=創作=+(プラス)という連想ゲームで、抽象的な絵にしてみました。今の僕の実力ではこうしか描けませんでした。とても難しかったし、悔いが残る出来になってしまいました。それを言えばどの絵だってそうだと言えるけど。

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という感じで、小説の表紙をイメージした絵は、どれもけっこう頭を使わないと描けない絵で、今回はなんとなくあらすじなどを含めどうやって描いたかを超簡単に記録してみました。いったい何人の方がこのブログを読んでいるのかよく知らないけど、こうやって何かを記録するのは好きです。日記ももう4年くらいほぼ毎日書いてます。

書籍の表紙になることをイメージした絵を描くのはまだ不慣れというか至らない点が多くて納得いかないので、もう少し頑張ってみます。